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【レイジングハートエクセリオン】 ルイズに支給された。 現在の所有者はルイズ。 【レリック】 ハドラーに支給された。 現在の所有者はハドラー。 ロストロギアの一つ。 赤い宝石のような外見で、凄まじい魔力を内包している。 原作では、リンカーコアと融合させ死者ですら復活させるエネルギーを見せた。 外部からの大規模魔力で爆発する危険性がある。 【ジュエルシード】 カオスヒーローに支給された。 現在の所有者はカオスヒーロー。 ロストロギアの一つ。 手にした者に幸運と望みを叶える力を与える。 などという設定があるが、本編中では一度も望みを叶えたことなどなかった。 【バルディッシュ・アサルト@リリカルなのはシリーズ】 ティアナ・ランスターに支給された。 現在の所有者はキャスター(メディア)。 フェイトが使用するインテリジェントデバイス。 通称「閃光の戦斧」。シグナムとの戦闘で中破したバルディッシュを修理し 更にバルディッシュの要望でリボルバー型のベルカ式カートリッジシステム『CVK792-R』を搭載して完成したフェイトの新デバイス。 即座に実行する寡黙な性格らしい。 【レヴァンティン】 博麗霊夢に支給された。 現在の所有者は博麗霊夢。 シグナムが使用しているアームドデバイス(武器)。 「パンツ赤いッス!」などの用語を連発するどっかの奴とは違う奴です。 【デュランダル】 後方のアックアに支給された。 現在の所有者は後方のアックア。 クロノ・ハラオウンの使うストレージデバイス。正式名称「氷結の杖デュランダル」。 A s当時の最新技術で作られたデバイスで、闇の書に対する切り札。 氷結魔法に特化しており、極大氷結魔法「エターナルコフィン」は海一面が凍りつくほど。 【マッハキャリバー&リボルバーナックル(右手用)】 ニーギ・ゴージャスブルーに支給された。 現在の所有者はニーギ・ゴージャスブルー。 スバル・ナカジマのデバイス。 ローラーブーツ型デバイスであるマッハキャリバーがリボルバーナックルの展開、収納、動作を制御している。 普段は青いクリスタルのネックレスとなっている。 【S2U】 タバサに支給された。 現在の所有者はタバサ。 ストレージ・デバイス。 人工知能を搭載していない分、処理速度は速い。 役目としてはあらかじめ魔法を詰め込んでおく記憶媒体。 魔法の発動を術者が決定しなければならないが、術者が優れていれば高速確実に魔法を発動できる。 ただし使いこなしても性能以上の力を引き出せる事は無い。 使いこなすのはインテリジェント・デバイスより簡単なのだが、 基礎的な解説をしてもらえない為、別世界の術者には入り口が狭いようだ。
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前ページ次ページゲーム改変ネタ 連座ネタ 僚ユニット選択画面 →運命 シン(プレイヤー) 無限正義(M) 凸 大鷲暁 カガリ アンジェルグ ラミア アティ 水銀燈 高町なのは フェイト・T・ハラオウン 八神はやて シグナム ティアナ・ランスター シン「(一体何なんだぁぁっ!!この共通点の欠片もねぇメンバー構成はぁっ!!!!??)」 凸「さぁ、シン!俺を選ぶんだ!お前のためにフル改造して(理性の)リミッターも解除したぞ!!」 はやて「シン、遠慮することはあらへんよ?」(ニコニコ) フェイト「そうだよ?」(ニコニコ) なのは「自分に正直になってね?」(目は笑っていない。) シグナム「皆まで言わずとも、分かっているだろう?シン」 水銀燈「誰を選ぶかなんて、分かりきったことよねぇ?シン」 カガリ「お前に飛んでくる攻撃なんて全部跳ね返してやるから、私を選べ!」(自信満々な顔つき) アティ・ティアナ「(期待に満ちた目で見る。)」 ラミア「(何も言わない)」 シン「・・・・・・」(カーソル移動中) ・ ・ ・ ・ ・ ・ →伝説 レイ →攻撃自由(M) キラ 一同「!!!!!!」 レイ「・・・そうか、ならば、俺が出よう。」 キラ「よろしくね。」(笑顔) 凸「シン!お前、正気か?!」 カガリ「そうだぞ!!あんな二大誤射大魔王を僚に選んだら、落とされるぞ。」 レイ「失礼ですね・・・俺とシンは合体攻撃もちですよ?あなた方と違って。」 凸「なら、キラではなく俺を入れろ!俺と(キラと)シンも合体攻撃持ちだぞ!!」 キラ「随分と失礼な事を言うね・・・」(ピキピキ) プレイヤー:運命 シン 僚1:伝説 レイ 僚2:攻撃自由(M) キラ これでよろしいですか? →「はい」 「いいえ」 シン「手が・・・」(「はい」ボタンを押そうとしたら右手が止まる。) はやて「だめやで?シン。」(シンの右手をバインドで拘束) なのは「人の厚意は受け取らないと・・・ね?」(「いいえ」ボタンを押そうとする・・・) キラ「ポチっとな。」(空かさず「はい」ボタンを押す) 女性陣「なっ!」 凸「キラァァァァァァっっ!!!」 レイ「(この女性陣相手に怯まないとは・・・この男、ある意味で命知らずだな。)」 キラ「それじゃあ、僕達の活躍を見物しているんだね、それじゃあ、シン、行こうか?」(笑顔でシンを連れて、去っていく。) 女性陣+凸「・・・・・・」 レイ「・・・・・・」(気まずいと思ったため、その場を立ち去ろうとする。) シグナム「バレル。」 レイ「(ギクッ!)な、なんですか?」 アティ「今回はあなたに譲ってあげますが・・・」 はやて「シンを傷物にしたらどうなるか・・・」 なのは「分かっているよね?」(黒い笑み) レイ「り・・・了解。」(冷や汗。) その戦闘で運命に向かって来る攻撃を全部必死に防ぐ伝説の姿があったとかなかったとか・・・ 2 なのは「あなたと一緒ならやっていけそうなの!」 はやて「あんたは私のダーリンや!」 フェイト「一生便乗させてね♪」 ユーノ「なのはは渡さないからな!」 ラミア「お前と私は相性がいいようだ」 レモン「とても興味深い研究材料だわ」 アメル「お芋、一緒に食べましょう?」 ハサハ「お兄ちゃん……好き……」 アティ「ずっと一緒に居させてくださいね?」 クノン「私はあなたが大好きですから」 ことり「これからも、ずっと一緒っすよ!」 朝倉「だって、私はあなたが大好きなんだもの」 水銀燈「離さないわぁ、おばぁかさん」 ちなみに全女性キャラの好感度がMAXになるとEXステージ「終わらない女難へ」がプレイ可能。 襲い来る女性陣を撃退できるのか!? 番外:ウホッ編 ヴィンデル「我々の計画はすべてお前にかかっている」 アクセル「お前になら背中を任せられそうなんだな、これが」 ネスティ「お前の心にアクセスしよう」 イスラ「君は、僕の初めての親友だよ」 キョン「同情するぜ、やれやれ……」 小泉「いいじゃないですか。アダムとアダムですよ」 ジュン「一緒に引きこもらないか?」 前ページ次ページゲーム改変ネタ
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作品データ タグ: アニメ スカート メガネ 制服 女性 瞳あり 石化 破壊なし 解除可能 ジャンル アニメ 種類 石化 性別 女 内容 キリヱがフェイトに石化されてしまいます 画像・動画 タグ: アニメ スカート メガネ 制服 女性 瞳あり 石化 破壊なし 解除可能 外部リンク なし 批評・コメント 名前 コメント
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第一部 第十四話『雪夜のライヴとカーチェイス』中編 「みんな。集合ご苦労」 雪奈は武道館の中ある関係者用の駐車場で揃った諜報部局員に声をかける。 「次元航行部隊や陸士部隊の騒ぎ様から解るように、如月千歳。音無琴羽。二人の周辺警備担当のフェイト・T・ハラオウン執務官。以下三名が誘拐された」 諜報部に所属する局員の大体は動揺を顔に出さず、部隊長である雪奈の命令を待つ。 しかし弥生はまだ信じられないらしく、少し動揺している。 「諜報部部隊長として指令を下します。アイドル二人が誘拐された事によって騒ぎが起こる事は想定されますので、騒ぎの鎮圧をお願いします。並びに緊急の作戦変更も行なう事を想定し、念話の回線は常に展開。以上!」 「Yes Sir!」 諜報部の局員は足並みを揃え、雪奈に敬礼した。 「幽霧霞三等陸士と如月弥生さんはここに残って下さい。それ以外は解散!」 雪奈の号令によって幽霧と弥生以外は駐車場を後にする。 「長月さん……」 誘拐された三人が心配な弥生は弱々しい声を出す。 冷ややかな目で弥生を見る雪奈。 その目に弥生は一種の恐怖感を感じ、背筋に寒気が走った。 雪奈はそのまま説明を始める。 「次元航行部隊013。ティアナ・ランスター執務官補佐の話によると誘拐犯は弁当屋を装って来たらしいです。私の予想だと配達中の弁当屋を強襲して、衣服から何まで揃えて来たのでしょう。全く……相手も馬鹿ではありませんね」 「自分はどうすれば……」 楽しそうに笑う雪奈に弥生は訊ねた。 想定していたとしても、やはり自身の担当しているアイドルを誘拐される現実に直面するとうろたえてしまう様だ。 うろたえながら尋ねる弥生に雪奈は楽しそうに笑う。 「簡単至極過ぎる事を聞くんですね~。貴方が幽霧と一緒に誘拐犯から三人を取り戻して来れば良いのですよ」 そう言って弥生に背を向ける雪奈。 「場は繋いでおきます」 心配そうな顔をする弥生に雪奈は言った。 弥生は雪奈の口から出た言葉に驚く。 「え……?」 「その代わり三人を取り戻すまで、この武道館をお借りしますね。お金はそちら持ちでよろしくお願いします」 「はいっ!?」 身勝手とも言える雪奈の言葉に素っ頓狂な声を出す弥生。 雪奈は笑顔で弥生に優しく言った。 「大丈夫です。如月弥生さんの所の社長に聞いたら、快く承知して下さりました。さあ、早く行って下さい。私にも準備というのがあるので」 駐車場から武道館内へ歩き出す雪奈。 そこで何かを思い出したらしく、背を向けたまま言った。 「多分、誘拐犯たちは弁当屋のワゴンで移動していると思います。どんな手を使ってでも追いかけて下さい。助っ人も呼んでおきましたので、上手にお使い下さい。貴方の車周辺で待機していると思うので」 「……ありがとうございます」 背を向けている雪奈に頭を下げる弥生。 「御武運を」 弥生は軽く手を振る雪奈から背を向け、幽霧と共に自車を止めている場所へ走り出す。 会場入りを誘拐犯に悟らせない様にするためだったらしく、弥生の使っている白いワゴンは近くの無料駐車場に置かれていた。 その白いワゴンに流線型のサングラスをかけた少年がよしかかっていた。 ジャージを身にまとい、肩には長細いバックがかけられている。 「長月さんの言っていた助っ人は冬秋だったのか」 弥生に冬秋と呼ばれた少年は身体を起こし、流線型のサングラスを外す。 サングラスの向こうから、人懐っこい顔が現れる。 冬秋はニヤリと笑いながら手を差し出す。 「そういうことや。よろしくな、弥生」 「ちゃんと働いて貰うからな」 差し出された手を握り、わざと力を入れる弥生。 力を入れる弥生に冬秋は楽しそうに笑い、力を入れ返す。 「いたっ! いたたたた! 力入れるな! 握り潰すつもりか!」 自業自得だがやはり痛いらしく、弥生は悲鳴を上げる。 「車を乗り換える事も想定されるので、早く行きましょう」 幽霧の言葉で二人は我に返る。 弥生は幽霧にワゴンの鍵を投げた。 鍵をキャッチした幽霧は不思議そうな顔をする。 「誘拐犯を追跡する術はある。運転とその両方は出来ないから、君が運転して下さい」 「……分かりました」 弥生の指示に幽霧は頷き、運転席に乗り込む。 助手席には弥生が乗り込んだ。 「助っ人の方はどちらへ?」 「ここや」 外からそんな声が聞こえ、軽くワゴンが揺れる。 そしてまるで大人一人分の体重が全体にかかったかのように、車体が地面に少し沈んだ。 車体の天井に乗るとは思わなかった弥生は唖然とする。 何をしようとしているか微かに理解した幽霧は驚きながらも天井を叩いた。 「よろしくお願いしますね」 「了解や」 冬秋は肯定と一緒に屋根を叩いた。 弥生から渡された鍵を穴に刺し込み、エンジンを開ける幽霧。 難なくエンジンがかかり、幽霧はアクセルを踏み込んだ。 車は地面にタイヤの黒い跡を残して走り出す。 「弥生さん。ナビゲートをお願いします」 幽霧たちが雪奈から作戦を受け、犯人の追跡を開始したその頃。 三人を誘拐した犯人たちの乗るワゴンはクラナガンの市内を走っていた。 そのワゴンの側面にはしっかりと「ミッドフーズ」という塗装がなされていた。 帽子で顔を隠し、口にはタバコをくわえた男がワゴンを運転しながら呟く。 「ん~。緊急の依頼だったけど、実際は依頼内容を詳しく知らないだよなー」 「ったく出発前に読んどけよボケェ! セレス、そこの紙取ってくれ。」 赤い髪に黒い瞳の男が助手席でタバコを吸いながら、弁当を入れる為に椅子が取り外されている後ろで依頼書を読む女性に声をかける。 「京極もウラも車内でタバコは吸わないで! 全く……はい、どうぞ」 セレスはタバコの煙を煙たそうにしながらウラに依頼書を渡す。 「あぁ? そんな事前からだろ。そろそろ慣れてもいいんじゃねーのか? …ほら、依頼書。」 ウラは荒い口調で言い返し依頼書をフードを被った男――京極に渡す。 「どれどれ……」 器用に京極はハンドリングを怠らずに依頼書を読む。 「アイドルグループ『ウィンドワルツ』の如月千歳と音無琴羽の誘拐。後はこの車を乗り捨て、依頼人に届けるだけか」 「意外と楽な依頼だったな」 後ろを再び見るウラ。 そこには弁当を入れる大きなプラスチックケースの代わりに三人の女性が眠っていた。 二人はきらびやかな衣装を身にまとい、もう一人は黒いスーツとタイトスカートを着ている。 まさしくその三人は誘拐された如月千歳。音無琴羽。フェイト・T・ハラオウンだった。 「弁当屋の格好で会場に侵入。『蛇』から買った強力な催眠ガスでスタッフや警護に来ている管理局の人たちを眠らせ、ターゲットを誘拐だったからな」 「でも油断は禁物」 セレスは二人を諌める。 「弁当屋の車を使っているとはいえ、どこで計画が破綻するか分からない」 しかしウラはセレスの言葉を否定する。 「そんなの関係ねぇ」 ウラの言葉に京極も笑う。 「俺たちのしたい事を……」 「「するだけだもんげ!」」 楽しそうに笑いながら運転する京極と大声で笑うウラにセレスはため息をついた。 「とりあえず、おじぃの待つ場所まで行ければいっか……」 クラナガンの市街を犯人であるウラたちの乗るワゴンが走る。 幽霧たちは念話や通信で入る情報を元に誘拐犯のワゴンを追っていた。 しかしクリスマスだと弁当屋やデリバリーサービスの車も大量に出没しているらしく、特定が出来ない。 ほとんど当てずっぽで走っているような感じだ。 「中々見つかりませんね」 運転しながらも周囲を見る幽霧。 怪しい車は一つも見つからない。 「そういえば幽霧は何歳だっけ?」 弥生はワゴンのハンドルを淀みなく操る幽霧に訊ねた。 幽霧のハンドルさばきは慣れたもので、周りの流れに合わせながら進む動きは熟練のものであった。 しかし少女のような風貌をしている幽霧だとお世辞にも、運転手が板についているとは形容しがたい。 淡々とした様子で幽霧は答えた。 「十五です」 弥生は幽霧の口から出た回答に硬直した。 「車の免許は?」 「持ってます」 「……何故に?」 規定年齢より下であるのに、免許書は所有しているという状態に驚く弥生。 ワゴンを運転する幽霧はどうやって得たのだろうか。 「仕事上で必要だったので」 「……取ったのは?」 怪訝そうな顔をしながら問う弥生に幽霧は無表情で答えた。 「去年です」 「一体どうやって?」 きっと幽霧は嘘をついていると思ったのだろう。弥生は更に問い詰める。 「鯖読みしました」 まるで他人事のように幽霧は答えた。 「上? 下? というか、本当の年齢は何歳?」 弥生はまだ疑っているらしく、幽霧に年齢を尋ねる。 「十五歳です。免許を取るときは上に鯖読みしました」 そう言いながら幽霧は弥生に車の免許書を見せる。 確かにカードの左端には幽霧の写真が入っていた。 習得した年もきちんと書いてある。 確かに偽造でもなさそうであった。 証拠まで見せられた弥生は納得するしかない。 軽く息を吐き出し、幽霧に弥生は言った。 「じゃあ、君の秘密を黙っておく代わりに自分の秘密も黙って貰おうかな」 持っているケースから大学ノートとボールペンを取り出す弥生。 意味深長な言動と取り出された物に首を傾げながらも幽霧は弥生の行動を見守る。 大学ノートを開き、ボールペンを構える。そして弥生は呟いた。 「先天性古代遺失物能力発動……」 「!?」 弥生の口から紡ぎ出された言葉に幽霧は驚く。 『先天性古代遺失物能力者』は裏オークションで聞いた謎の名称。 まさか、隣の助手席にその『先天性古代遺失物能力者』が座っているとは幽霧は思ってもいなかった。 驚く幽霧など意識の外らしく、全く気づかずにその名を紡いだ。 「『欺瞞神《ロキ》の悪戯聖書《いたずらバイブル》』」 ボールペンを握る弥生の手に金色の紋章が入り、片目が深紅の瞳に変わる。 弥生は肌に金色の紋章が浮かぶ手に握ったボールペンを大学ノートに走らせる。 ノートに書かれた事柄は二つ。 《今から五十分後に誘拐犯と接触》と《誘拐犯はクラナガン自然公園の駐車場にいる》。 弥生がノートからペン先を離した途端、書かれた文字が一瞬だけ金色に輝いた。 「うん。これで良しっと……」 ノートとボールペンを仕舞う弥生。 「如月弥生さん」 「ん? 何?」 幽霧は車を運転しながらも弥生に訊ねた。 「今の……何ですか?」 弥生自身も上手く説明出来ないらしく、苦笑しながら答える。 「書いた事を現実にする能力かな? いつの間にか身に付いていた能力だね」 苦笑しながらも問いに答える弥生に幽霧は閉口する。 しばらくしてから幽霧は口を開く。 「……差し出がましい事を言いますが、よろしいでしょうか?」 「うん? 何ですか? 自分の答えられる物なら答えるけど……」 幽霧は直球な問いを弥生に投げかける。 「貴方はそれをどういう物だと仮定しますか?」 「そうだね……」 実際にそんな事を考えてみた事がないらしく、弥生は考える。 しばらく間を置いてから幽霧に答えた。 「自身の願いを叶える手段の一つ……かな」 「そうですか……」 車の中に静寂が訪れる。 聞こえるのは温風から出ると外で車が走る音のみ。 しばらく経ってから幽霧は口を開く。 「これは本当に個人的な問いですが……」 そのまま言葉に出すのは躊躇われるらしく、少し考える幽霧。 躊躇いがちに言葉を区切りながら訊ねる。 「……貴方はとはいえ……何故、今も芸能界に身を……置いているのですか? その……」 「裏では「女装フェチの変態」と陰口を叩かれているのに?」 幽霧が訊ねにくそうにしている内容を弥生は笑いながら口に出す。 「……はい」 弥生の言葉に幽霧は頷く。 「存在意義は他人がどうこうじゃなくて、自分がどうしたいかなんですよ。他人に答えを求めるようなものではありません」 弥生の口から出た言葉に幽霧は感嘆する。 周囲から何を言われないようとも自身の意思を変えないという事は難しい事だからだ。 「理由は簡単です。千歳と琴羽さんが沢山の観客がいるステージでスポットライトを浴びる姿を一番近い場所で見たい……ただそれだけですね」 「弥生のシスコン軍曹~」 さっきまで黙っていた冬秋がワゴンの上から茶化す。 「黙れ! この撲殺中毒者!」 「そうや。ワイはワーカーホリックや。何か文句あるかい?」 あっさり開き直られたら反撃のしようがない。 悔しい弥生は歯噛みする。 「奥さんの神威姐さんとセックスレスやからって、妹と妹の友人を襲ったらあかんで~。琴羽ならまだええけど、千歳やったら近親相姦や」 「ちょっ! 千歳を襲うわけないだろ!」 顔を真っ赤にして否定する弥生。 説得力が全くない。 「あやしいなぁ~。つーか、セックスレスは否定しないんかい……ちゃんと神威姐さんを満足させなあかんで~。雪奈姐さんの話だと、神威姐さんは羽にゃんこちゅう物に夢中ちゅう話やし」 「なんだってぇ!」 冬秋の言葉に驚く弥生。 「そういえば、最近は風切羽捜査官によく絡んでいるらしいですね」 「うそだっ!」 淡々と話す幽霧に叫びながら頭を抱え始める弥生。 弥生の叫びを路上に響かせながら幽霧の運転するワゴンはクラナガン自然公園へと走っていく。 「本当に来ますかね」 「来るよ。自分の能力が外れた事は無いからね」 弥生は車から降り、クラナガン自然公園の駐車場で誘拐犯を待っていた。 待ち伏せしている事が誘拐犯に分からないようにライトは消してある。 誘拐犯が来るのを待つ間に幽霧は弥生に訊ねた。 「再度聞きますが、如月弥生さんのそれは何なのですか?」 「書いた事を現実にする能力だよ。自身の運を犠牲にしてね」 息を呑む幽霧。さっきは能力の代償までは知らされていなかったからだ。 そして何故、『欺瞞神《ロキ》の悪戯聖書《いたずらバイブル》』を最初から使わない理由も分かった。 常に使用していたらそれだけ運を消費する。 運が悪く怪我をしたり、運悪くテロに巻き込まれてもおかしくない。 だから出来るだけ使用を控えていたのだろう。 「自分の予測の範囲内だけど……先天性古代遺失物能力は使用者の願望が忠実に現れているのだと思う。何故ならこの能力を得るまでは、自身の考えた通りに物事が進んで欲しいと思っていたからね……」 「そうなのですか……」 核心にはまだ遠いかもしれないが、実際の能力者と会う事によって一歩前に進んだと幽霧は思った。 ワゴンの上に乗ったままの冬秋は幽霧と弥生に通達した。 「来たで」 駐車場の入り口からライトが近づいてくる。 そして側面に「ミッドフーズ」と塗装されたワゴンが止まる。 ドアが開き、中から赤い髪に黒い瞳の男が降りる。 「おじぃ……」 「こんばんは。誘拐犯さん」 影から現れた弥生は出てきた男に声をかける。 「お前は……如月弥生!」 「誘拐したうちのアイドルたちを返して貰います」 男に近づく弥生。 「京極! 車を出せ!」 「了解」 返事の代わりに男はワゴンに乗り込み、逃走を図る。 「幽霧! 出して!」 「はい。了解いたしました」 弥生は幽霧の運転するワゴンに乗り込む。 「……行きます」 幽霧からの呟きとほぼ同意。 タイヤをスリップさせながらワゴンが発車する。 「――っ!」 冬秋は加速による衝撃に耐えながらも少しずつ腰を上げていく。 何とか直立の姿勢になり、相手の車と接触する瞬間に備える。 幽霧は法定速度を超えたスピードを出し、誘拐犯のワゴンを追う。 誘拐犯たちもスピードを上げ、必死に幽霧たちから逃げる。 更にアクセルを踏み込む幽霧。スピードメーターの針はもう少しで振り切れそうだ。 弥生は身体を押し付けられるような衝撃に耐える。 走行しながら幽霧は相手のワゴンに自身のワゴンを寄せた。 瞬間、冬秋は天井を蹴り、跳躍する。 そして相手の車へと飛び移って着地。 冬秋はすぐに腰を低くし、これから訪れる衝撃に備える。 それから瞬きもしないうちに、冬秋の乗る車が思いっきり揺れた。 幽霧の運転する車から離れようと、大きくそれる。 冬秋は四肢を広げて車の上にへばりつき、何とか振り落とされないように踏ん張る。 あわせるようにして、幽霧の運転する車が大きく曲がる。 ブレーキをかけながらハンドルを切った為、車がほとんど九十度に回転した。 下手をすれば車体自体が反転しかねない無謀なハンドリング。 そしてそれをあと刹那遅れていれば相手の車に激突しかねない絶妙なタイミングで幽霧はやってのける。 口笛を吹く冬秋。 「あの可愛い譲ちゃんもなかなか凄まじい事をすんな~。春夏姉と同等かそれ以上のイカレっぷりや~」 すぐに車は体勢を整え、相手に遅れない速度で追走を開始する。 冬秋が乗っている車は左右に振られながらも、じきにまっすぐ走り始めた。 感じる振動も少ない。 しかし走り方が落ち着いてきたとはいえ、中では混乱が起きているのだろう。 大声が車から響く。 「おい! なんか追ってくるぞ!」 「知らないわよ!」 聞こえてくる声に冬秋は小さく苦笑する。 まさか一人の青年が自車の屋根に飛び移ってきたなど、夢にも思っていないであろう。 そして仮に冬秋の存在が気づかれたとしても、これから行う事の支障にはならない。 肩に掛けていた長細い円筒状のバックのファスナーをゆっくりと開け、手を突っ込む冬秋。 「よっこらせっと……」 バックの中から、冬秋は獲物を抜いた。 それは一振りの釘バット。 金属バットに無数の釘が刺さっている。曲がったり、紅いものが付いている釘がすごく禍々しい。 グリップをしっかり握り、冬秋はゆっくりと腰を上げていく。 直立姿勢になるとしっかりと車の屋根をスパイクつきの安全靴で踏み込み、身体の軸を固定。 「おわっ!」 車の中から驚いたような声が聞こえた。 誘拐犯に気づかれてしまったが、これから行う冬秋の行動に支障はない。 軽く構えを取る。足を肩幅に開き、釘バットのグリップを握りながら全身で仰け反る様に思いっきり振り上げ、肩の力を抜く。 丹田に気を込め、大きく息を吸う。 「せぃっ!」 思い切り息を吐き出し、全力で振り上げた釘バットを車へと叩きつける。 破壊音。 いや。これはもう、爆発音の領域であった。 幽霧は唖然とする。 一瞬、屋根の中心がへこみ、反対に車の両端が若干地面から浮いたように見えたからだ。 釘バットは半分ぐらいがワゴンの天井にめり込む。 衝撃は車のフレームを駆け巡り、ほぼ全体に伝わっていく。 車が走行する為に必要な部分を徹底的に蹂躙していく。 威力が全て車に伝わった手応えを感じるや否や、冬秋は屋根に食い込んだ安全靴と釘バットを強引に引き抜き、屋根から飛び降りる。 車の尻が左右に揺れたかと思うと、いきなり急ブレーキをかけた。 きっとハンドリングが上手く切れなかったのであろう。 地面に身を転がしながら、冬秋は車が急ブレーキをかける音を聞いた。 次の瞬間、ハンドリングが効かなくなったワゴンは脇のガードレールに衝突する。 ブレーキでワゴンをゆっくりと停める幽霧。 弥生はいてもたってもいられないのか、助手席のドアを開き、ガードレールに衝突したワゴンに駆け寄る。 ワゴンの助手席から男が出てきたのを見た途端、弥生は拳を握る。 「俺の千歳と琴羽に何してんだボケェぇぇぇぇぇぇ!」 そして渾身の力で握られた弥生の拳が男の頬を捕らえた。 車から出た途端、いきなり殴り飛ばされた男は地面に叩きつけられる。 激昂している弥生は誘拐されていた千歳と琴羽の事など頭に無く、誘拐犯をボコボコにする事だけを考えていた。 今度は千歳と琴羽を連れて行こうとする男に殴りかかる。 「セレス。ターゲットだけでも頼むなー」 「分かった」 男は弥生に気づき、仲間の女に連れて行く二人を任せる。 「おらぁぁ!」 雄叫びを上げながら殴りかかってくる弥生の拳を片手で掴む男。 あいている片手で弥生の腹部に拳を叩き込んだ。 「ごぶっ……ぼぇ……」 弥生の腹部に拳が突き刺さり、強引に息が吐き出させられる。 普通なら意識を失って地面に叩きつけられる所なのだが、弥生は自分から舌を噛む事で意識を保つ。 男の頭を掴む弥生。そして身体を後ろに反らせ、あろう事か、その頭を男に振り下ろした。 「これは千歳と琴羽の分っ!」 一撃で額がへこんだのではないかと錯覚するほどの一撃が直撃する。 「これも千歳と琴羽の分っ!」 再度、男の額に弥生の頭が衝突する。男は脳が揺れるような感覚に襲われる。 弥生も痛いはずなのに、一撃ごとに頭突きの威力は増していく。 しかし弥生は男の頭をしっかりと掴んでいる。 弥生は男に向かって笑った。額の皮は裂け、額から出血していた。 ここで初めて男は弥生の執念とも言える固い意志に恐怖する。 「最後も……千歳と琴羽の、分だっ!」 渾身の力で弥生は頭突きの三連撃を叩き込んだ。 一瞬だけ男の意識が刈り取られ、身体から力が抜ける。 弥生は男の頭を掴んだまま強引に頭を下げさせる。そして片膝を叩きつけた。 叩きつけられた片膝が男の顔に突き刺さった。 男は意識を失い、弥生に倒れかかる。 気絶しているとは気づいていない弥生は更に攻撃を加えた。 倒れかかってきた男の背中に腕を回し、身体を反らす。 それはへそで投げるタイプのバックドロップ。 弥生によって男は完膚なきまでに倒される。 「あ~あ。ワイの出番は無しやな」 意識を失った女を脇に抱えながら冬秋は呟く。 「……冬秋」 「大丈夫や。千歳も琴羽も無事や」 冬秋の言葉に安心する弥生。 誘拐犯の乗っていたワゴンに歩み寄る弥生。 後部座席では千歳と琴羽が眠っていた。 少しだけ髪形が乱れているが、それ以外は変わりない。 「良かった……良かった……」 「ワイは腹部にパンチ喰らっても頭突き三連撃かまして、更にバックドロップで止めを刺すお前の方が危険だと思うわ。というか、ココナッツクラシャーで既にオチとったで?」 気絶した女を脇に抱えながら冬秋は安心する弥生に苦笑した。 「ん……? 兄さん……? 冬秋……?」 弥生と冬秋の声がうるさかったらしく、千歳は目を覚ます。 「おはよう。千歳」 弥生は目を覚ました千歳に笑顔を浮かべる。 「兄さん……はっ! ライヴは! 琴羽。琴羽。早く起きて!」 ライヴ前に誘拐された事を思い出した千歳は隣で寝ている琴羽の身体を揺らす。 「千歳ちゃん……?」 琴羽もどうにか目を覚ます。 「如月マネージャー……ココ、どこなのでしょうか……? えっ!?」 「ライヴはどうしたの兄さ……きゃっ!」 所載を訊ねる二人をいきなり抱きしめる弥生。 抱きしめられている二人は意味が分からない上に気恥ずかしいらしく、頬を赤らめながら弥生の腕の中で暴れている。 「良かった……本当に良かった……」 弥生に抱きしめられている二人はその言葉で暴れるのを止めた。 「兄さん……」 「如月マネージャー……」 二人は弥生の背中に腕を回し、抱きしめ返した。 その光景を遠くから眺めながら幽霧は念話を雪奈に接続する。 [長月部隊長] [ん? 誘拐犯たちから奪還できました?] 雪奈は幽霧の念話に瞬時に反応する。 [ええ] 頷く幽霧。 [威信を取り戻したいと思っている陸士部隊の方々を寄越すから、陸士部隊の方々が来たら、出来るだけ早く戻っておいで。ちゃんと場は繋いであるから] [了解いたしました] 雪奈との回線が切断される。 念話が切れた後、幽霧は弥生たちのいるワゴンの方へと歩く。 「陸士部隊の方が来るそうです。誘拐犯を引き渡した後、出来るだけ早く武道館に早く戻って欲しいそうです」 遠くからパトカーのサイレンが聞こえてきた。 「分かりました。ありがとうございます」 弥生は幽霧に頭を下げる。 「えっと……ライヴの方は長月部隊長が場を繋げているそうです」 「ご丁寧にありがとうございます」 「ありがとうございます」 千歳と琴羽の二人は幽霧に頭を下げる。 「兄さん……それ……どうしたの?」 「マネージャー……?」 弥生の顔を見た千歳と琴羽は驚いたように瞬きしている。 「何でもない。二人は気にしなくても良い」 顔を二人から背ける弥生。 「兄さん!」 千歳は手を伸ばして弥生の頭を掴み、無理やり前に向かせる。 そして二人は言葉を失った。 弥生の額に出来た傷跡から流れた血で顔が血塗れなのだ。 全然大丈夫、と開き直るように弥生は笑う。 「弥生はな~」 「……言わなくても良い」 冬秋は弥生の言葉など無視して、話を続けた。 「二人を誘拐した奴らにキレて、殴りかかったんや。二人の為にな」 気恥ずかしいのか、弥生は二人から顔をそらしている。 「……兄さん……」 「マネージャー……」 二人は着ている衣装の裾で血塗れになった弥生の顔を拭こうとする。 「止めろ。衣装が汚れる」 衣装を汚さない為に弥生はわざと厳しい声を出す。 「じゃあ。これをどうぞ」 幽霧は二人にハンカチを差し出す。 そして誘拐犯の使ったワゴンの中で眠るフェイトの方へ行く。 「フェイトさん。フェイト・T・ハラオウン執務官」 安否を確かめる為に幽霧はフェイトの身体を軽く揺らす。 「ん……。ゆう……ぎり……くん?」 「おはようございます。フェイトさ!」 目を覚ました途端、いきなりフェイトに抱きつかれる幽霧。 「……フェイト・T・ハラオウン執務官?」 何度も抱き疲れていると免疫も出来てくるらしく、無表情で淡々としている幽霧。 抱きついた状態でフェイトは言った。 「……夢を見たの」 「夢ですか?」 言葉を返す幽霧にフェイトは頷く。 幽霧の肩に顔を乗せ、耳元で囁く。 「うん……幽霧くんが沢山の人を殺していたのそして……」 言葉の続きを紡ぎ出すことを躊躇っているらしく、フェイトは口をつぐむ。 そしてゆっくり吐き出す様にフェイトは幽霧に囁いた。 「……最後に自身の頭にアルフィトルテちゃんの銃口を突きつけて自殺するの……」 「……」 フェイトの言葉に幽霧は硬直した。 硬直した幽霧にフェイトは頭を下げる。 「……ごめん。変な事を言って」 しかし謝罪した後も夢の内容がまだ尾を引いているらしく、フェイトは幽霧から離れようとしない。 その状態でフェイトは幽霧に訊ねる。 「幽霧くんはいなくならないよね……?」 フェイトの問いに大使、幽霧はすぐには答えなかった。 代わりに幽霧はフェイトの背中を優しく叩く。 まるで泣きじゃくる子供を慰める母親のようであった。 「……幽霧くん?」 「自分はそんな事はしませんよ」 背中を叩きながら幽霧は答える。 「そんな事をする理由もありませんし……そんな事をする気もありません。それに……」 幽霧は言葉を区切り、自信に言い聞かせるように答えた。 「……あの赤い世界の真実を知るまでは……死ねませんから」 「兄さん……大丈夫?」 誘拐犯を陸士部隊に引き渡した後、幽霧たちは弥生のワゴンで会場の武道館へと向かっていた。 そのワゴンの助手席で千歳は運転席で運転する弥生に尋ねる。 血は止まっているが、弥生の額には傷が残っていた。 「気にしなくても良い。お前と琴羽さんは気分を落ち着かせる事だけ考えれば良い」 弥生は前だけを見ながら答える。 「でも……」 まだ納得出来ていない千歳は引き下がろうとしない。 そこで今もワゴンの上で座っている冬秋が口を挟む。 「弥生の言う通りやで~。千歳と琴羽は自身のしたいようにやって行けばええ。泥や血を浴びるのはワイと弥生だけでええんや」 そう言って冬秋はケタケタと笑う。 「冬秋の言うとおりだ。泥や血を浴びるのは自分だけで良い」 ハンドルを切りながら弥生は答えた。 車内には振動がほとんど無く、運転手姿も板についている。 運転する姿からも弥生が熟練者であるように感じられた。 「ありがとうございます」 真ん中の後部座席で心からの笑顔で言う琴羽。 「……ありがとう……兄さん。冬秋さん……」 そして千歳は頬を赤らめながら恥ずかしそうに言った。 弥生と冬秋は満更でもない顔でニヤリと笑った。 一番後ろの後部座席では、幽霧は窓からぼんやりと空を見上げていた。 空は灰色の雲で夜空が隠れている。 季節的にはそろそろ雪が降ってもおかしくないのだが、降る様子も無い。 「空を眺めて、どうしたの?」 隣で座っているフェイトが幽霧に尋ねた。 「そろそろ雪が降っても良いはずなのに降らないので」 「雪……そうだよね。今日はクリスマスイヴで、明日はクリスマスだから……雪も降って欲しいよね」 フェイトも幽霧と一緒に空を見上げる。 ちょうどその時だった。 ワゴンの隣をオレンジ色の物体が通り過ぎたのは。 車道の隣で何かが爆発する。 発生した衝撃波で走っている車を揺らす。 「きゃあぁぁぁ!」 激しく揺れるワゴンに千歳と琴羽は悲鳴を上げる。 [幽霧] いきなり雪奈から通信が入る。 [長月部隊長?] [まず最初にごめん。幽霧。陸士部隊がしくじった] 謝罪する雪奈の声から申し訳なさが感じられた。 詳細について、幽霧は雪奈に訊ねた。 [一体、何があったのですか?] [実は『ウィンドワルツ』を誘拐しようとした人たちにはまだ仲間がいてね~。装甲車で突っ込んで来たそいつにね……] 幽霧は後ろを振り向き、背後の窓から後ろを見た。 予想通り背後には装甲がつけられた無骨な形の車がワゴンから距離を取りながら追いかけてきている。 [注意するように言おうと思ったけど……遅かったようだね] [はい……] 背後から飛んでくる射撃魔法やミサイルを眺めながら幽霧は頷く。 今は牽制が多いが、ワゴン狙いも何発かあった。 「おらぁ!」 冬秋はワゴンに飛んでくるミサイルや射撃魔法を釘バットで打ち返す。 しかし何発かは誘爆を喰らったらしく、冬秋のジャージの所々がこげていた。 [管理局で禁止している質量兵器も装備しているようです] [まあ……裏の方面では、対魔導師兵器として質量兵器も流通しているからね~] 苦笑する雪奈。その笑いにも力は無い。 周囲の爆音がより大きくなる。 窓からアルフィトルテを握った腕を出し、幽霧は飛んでくるミサイルを迎撃する。 アルフィトルテから撃ち出された魔弾は空中でミサイルと接触し、空中爆発を起こす。 [雪奈さん。上からの判断はどうなったのですか?] フェイトは幽霧と雪奈の通信に口を挟む。 [上は管理局自体が質量兵器の存在を認めないから、様子見] [なら……] バルディッシュを指の間に挟むフェイト。 どうやら背後の装甲車を撃墜する気らしい。 そこでフェイトを止める雪奈の声が飛ぶ。 [貴女がアレを撃墜しないで下さい] [何でですか! 雪奈さん!] 止める雪奈にフェイトは声を荒げる。 雪奈は淡々と答えた。 [砲撃魔法や高ランクの魔法などは質量兵器が誘爆で災害を起こす恐れもあるからね] 「くっ……」 確かに雪奈の言うとおりであった。 追っている装甲車には質量兵器がまだまだ入っている恐れがある。 その質量兵器が魔法で爆発したらどうなるか。 きっと装甲車の中にいる誘拐犯たちだけではなく、周囲にも多大な被害が来るだろう。 危険なのは爆発だけではない。爆発によって飛来する金属片なども人を殺す危険性がある。 多重の意味で幽霧たちは生半可な方法で装甲車を撃墜する事は出来ない。 背後の装甲車になされるがままにされている事態にフェイトは唇を噛む。 ミサイルが足りなくなってきたのか、今度はワゴンに狙って銃弾が飛んできた。 ある一発の銃弾がワゴンのバックドアを貫き、幽霧の頬と千歳の髪を掠める。 しかしそんなことで動じている状況ではなかった。 「兄さん!」 助手席でカーナビを見ていた千歳が叫ぶ。 「徐々に会場から遠ざかって来てるよ!」 カーナビは確かに弥生の運転するワゴンが目的地である武道館から離れていっている事を表示していた。 きっとこれも誘拐犯の作戦の一つであろう。 誘拐出来ないのなら、ライヴに出れない様に妨害すれば良い。 こうして妨害していれば例えライヴ会場のスタッフが場をつないでいても、痺れを切らせたファンが勝手に帰っていく。 そしてライヴを行われなかった事が報道され、世間でのイメージが落ちる。 もしかしたら犯人たちの作戦は妨害で無いかもしれない。 弥生たちが上手く逃げているから妨害として作用しているのであって、本当の狙いは『ウィンドワルツ』の二人並びに関係者を殺す事であるのかもしれない。 こうした殺人の類は裏社会で生きる者の得意な分野だ。 例え殺人であっても事故に見せかけたり、殺人の証拠を出させずに雲隠れする事くらい十八番であろう。 「分かってる!」 弥生はアクセルを踏み込み、スピードを上げる。 装甲車もスピードを上げる。 スピードを保ちながら弥生のワゴンは左折した。 これで装甲車を撒けると弥生は考える。 しかしの予想は綺麗に外れた。 更にスピードを上げた装甲車が左折してきた。 下手をすれば車体自体が反転しかねないリスクを負いながらも装甲車の運転手は弥生たちを追ってきた。 それにより、弥生のワゴンと誘拐犯の装甲車が併走している状態になる。 「……ちっ」 弥生はハンドルを握りながら舌打ちをする。 装甲車を撒く為に弥生はスピードを出しながら左折したのだが、装甲車の運転もそれなりの技術者であるようだ。 併走している装甲車の窓が開く。窓からせり出してきたのはショットガン。 「幽霧くん!」 誰よりも一番先にショットガンの餌食になる幽霧にフェイトは叫ぶ。 「――。アイギス」 至近距離でショットガンを撃とうとする相手に幽霧の顔は引きつる。しかし瞬時に[アイギス]を撃ち込んだ。 [アイギス]は装填された弾から何まで石化させる。 用を成さなくなったショットガンをいらないと判断のか、石化したショットガンを投げてきた。 幽霧はそれをキャッチし、[アイギス]の石化を解除。 ショットガンの銃口を装甲車に向ける幽霧。 「え……幽霧くん!?」 明らかにショットガンに装填された弾を撃ち込む気満々の幽霧にフェイトがぎょっとする。 死んだ魚の様に無機質な瞳で装甲車を眺めながらショットガンの銃爪を引く。 銃口から撃ち出された弾が爆発音を立て、装甲車の装甲に穴を開けた。 ショットガンによって吹き飛ばされた装甲は後ろに飛んでいく。 後ろを走行している車がいたら避けてくれる様にフェイトは祈った。 幽霧の追撃を考慮したのか、再び装甲車は後ろを下がる。 しかしワゴンを追う事は諦めていない。 [あっ。陸士部隊が交通規制を敷いたみたい] すぐに入った情報らしく、少しだけ驚いた声で報告する雪奈。 [規制範囲はどのくらいですか?] [武道館の周辺十km] 幽霧は身体を伸ばし、運転席の隣にあるカーナビを見る。 今は少し交通規制がなされている範囲から離れているようだ。 少し考えた後、幽霧は雪奈に訊ねた。 [交通規制範囲内で直線距離が一km以上の場所は] [あれでケリをつける気?] 幽霧の問いに雪奈は驚いたような声を出す。 [はい] [ふむ、分かった。完全詠唱版の使用を許可しよう] 頷く幽霧に雪奈はニヤリと笑い、ある魔法の詠唱を許可する。 [君たちのいる位置から五百m先を右折。その後、一km先で右折した位置からがグッドポイントだよ] 「弥生さん」 「了解」 雪奈の指示を聞いていた弥生はアクセルを踏み込み、スピードを上げる。 幽霧はフェイトにも指示を出す。 「フェイト・T・ハラオウン執務官。その地点に着くまで、シールド展開を頼みます」 「うん。分かった。……パルディッシュ」 「イエス。サー」 フェイトとバルディッシュはワゴンを覆うようにシールドを展開する。 幽霧はわざとワゴンのバックドアに「アイギス」を撃ち込む。 バックドアは「アイギス」の効果によって石化した。 [じゃあ、次は会場で会おう。絶対にも戻っておいで。まだまだ幽霧にはして貰わないといけない事があるからね] [はい] 頷く女顔の少年に蒼い髪の女性は微笑んで見せた。 微笑が優しく溶ける。 まるで労わる様な。慈しむ様な。 そんな微笑み。 雪奈と幽霧の通信はココで終了する。 「じゃあ……いくよ」
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ソニックフォーム時アクセル消費軽減 魔力ゲージ1本からリロードまで 通常26回 ソニック63回 -- (名無しさん) 2011-12-24 17 59 29 アタック初段のリーチ、トレーニングモードで試したが3.05m位まで届いたぞ -- (名無しさん) 2011-12-24 21 12 06 ↓編集ガイドにある通り、ダメージ・距離計測キャラはなのはが相手の時です。なのはが相手だとフェイトの初段は届きません -- (名無しさん) 2011-12-24 21 16 26 とりあえずのコンボ □○ プラズマランサー (EXダッシュキャンセル) キャッチ なのは相手に14.97%のダメージ □~○の間のアタックを増やすとその分ダメージが減る -- (名無しさん) 2011-12-24 21 18 59 ↓↓アクセル情報適用しました -- (名無しさん) 2011-12-25 01 53 55 コンボ情報はコンボ一覧のページに移動しました。 -- (名無しさん) 2011-12-25 03 28 54 ソニックフォーム時のダメージは通常時の2.25倍だと思います。 -- (名無しさん) 2012-01-07 19 17 34 ソニックフォーム時はEXアタックの発生が早くなると思いますよ -- (名無しさん) 2012-02-08 00 20 30 ソニックフォーム時はロングレンジメインだといいと思う -- (force) 2012-02-16 17 43 14
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主人公 名前 性別 デッキ 入速出やる夫 ♂ 【安価】 担当アイドル 天海春香 ♀ 【カオドラ】 武藤マナ ♀ 【主人公詰め合わせ(ガガガメイン)】 水銀橙 ♀ 【BF】 セシリア・オルコット ♀ 【リチュア】 黒猫 ♀ 【D-HERO】 御坂美琴 ♀ 【エレキビースト】 白井黒子 ♀ 【除外軸サイキック】 ネロ ♀ 【聖騎士+三銃士】 リン・A・渚 ♀ 【ジャック】 入速出シャルロット ♀ 【ガーディアン】 鳳鈴音 ♀ 【アームド・ドラゴン】 嫁・婚約者・恋人・肉便姫 不動華蓮 ♀ 【アキ】 一離出できない子 ♀ 【氷結界】 食蜂操祈 ♀ 【甲虫装機+コントロール】 フェイト・テスタロッサ ♀ 【ヴァイロン】 鷹守ハルカ ♀ 【忍者】 八坂ニャル子 ♀ 【ワーム】 アインハルト ♀ 【E-HERO】 ヴィヴィオ ♀ 【BK】 インデックス ♀ 【魔力カウンター】 デュエルアイドル 名前 性別 デッキ ツナシ・タクト ♂ 【ギャラクシーフォトン】 如月千早 ♀ 【遊馬】 クロノ・ハラオウン ♂ 【ブラック・マジシャン】 菊地真 ♀ 【HERO】 天上院フレデリカ ♀ 【フレムベル】 黒神めだか ♀ 【青眼の白龍+創星神】 黒雪姫 ♀ 【真紅眼の黒竜+征竜】 茨木華扇 ♀ 【ナチュル】 美府出やらない子 ♀ 【裏サイバー+エアレイド】 佐倉杏子 ♀ 【ドラグニティ】 美樹さやか ♀ 【シャーク+水精鱗】 鹿目まどか ♀ 【代行者】 暁美ほむら ♀ 【機皇】 巴マミ ♀ 【マドルチェ】 桐ヶ谷和人 ♂ 【H・C】 シモン ♂ 【ディフォーマー】 奴良リクオ ♂ 【デュアル】 八神リイン ♀ 【暗黒魔轟神】 エイラ ♀ 【天変地異】 サーニャ ♀ 【魔人リゾネーター】 シャナ・ヴァリエール ♀ 【炎星】 輿水幸子 ♀ 【ネオスワイズマン】 愛宕 ♀ 【高ランクエクシーズ】 島風 ♀ 【風・闇メインジェネクス】 立花響 ♀ アイドル関係者 名前 性別 デッキ 美府出やらない夫 ♂ 【表サイバー】 派速出できる夫 ♂ 【アンデット】 不動遊星 ♂ 【なし】 上条当麻 ♂ 【レスキューラギア】 一般人 名前 性別 デッキ 東風谷早苗 ♀ 【ハーピィ】 セレスティア・ルーデンベルク ♀ 【ギャンブル】 岸波白野 ♀ 【岩石族】 武藤アイチ ♂ 【歴代主人公ゴチャ混ぜ】 トップに戻る
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今回のMVPは「 silverdevil さん 」でした! おめでとうございます。 silverdevilさんからのコメント 「今回は防衛できて良かったです!アクロポリスに変えたかいがありましたw」 日本 パニガーレ 2016/09/30 結果 星合計 相手の星合計 勝利 100 99 プレイヤー レベル 1回目 相手No. 相手レベル 2回目 相手No. 相手レベル 防御回数 被攻撃数 waku 174G ★★★★★ 4 165G ★★★★★ 3 155S 0 1 silverdevil 177G ★★★★★ 1 163G ★★★★★ 2 166G 0 7 ひでぼ 148G ★★★ 3 155S ★★★★★ 11 144S 0 2 ともや 136S ★ 4 165G ★★★★★ 13 104S 0 1 コーツ 146S ★★★★★ 5 123S ★★★★★ 7 123S 0 3 黒龍☆彡 151S ★★★★★ 9 145S ★★★★★ 10 144G 0 1 アミン 127S ★★★★★ 6 141S ★★★★★ 8 133S 0 1 味噌カッツ 142S ★★★★★ 16 108S ★★★★★ 15 108Ki 0 1 パスビエント 144S 10 144G 11 144S 0 1 OYOSHIHIKO 128S ★★★★★ 12 124S - - 0 1 あいろん 117S - - - - 0 1 こうちゃ 125Ki ★★★★★ 14 101Ki ★★★★★ 17 119Ki 0 1 ドルジ 123S ★★★ 15 108Ki ★★★★ 14 101Ki 0 1 ニッシ〜 144S ★★★★ 17 119Ki ★★★★ 15 108Ki 0 2 すけろん 125S ★★★ 14 101Ki ★★★★★ 16 108S 0 1 高町なのは 112S ★ 13 104S - - 0 1 よっすん 112Ki ★★★★★ 20 48Ky 3 155S 1 4 蒼大佐 主計長 99Ki ★★★★★ 19 55Ky ★★ 17 119Ki 0 3 フェイト・T・ハラオウン 88Ki - - - - 0 3 コナたろう 67Ki ★★★★★ 18 83Ky ★★★★ 17 119Ki 0 2
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『わかりました、引続き調査を続行するように。それと・・・』 モニターの向こう側、757調査捜索部隊長・オーリス・ゲイズ一佐がフェイトからの報告を聞き、指示を出す。 『何か改めて必要なものは?』 「ありがとうございます。お借りしている二個機動小隊で十分ですが・・・」 フェイトは最近昇進したらしい上官の質問に笑顔で答える。 『どういたしまして。なお詳細はまだ不明ですが航空の71任務部隊がレイブンと交戦、貸し出していた 9号特殊機材・ノーヴェが中破しました。他にも一名が軽傷とのことです』 (なのはの隊が?) フェイトにとってなのはと彼女の直卒班が遅れをとったことが驚きだった。 『今後十分注意して事に当るように』 「分かりました。では後ほど・・・」 「部隊長は何と?」 執務官補のティアが新しい指示を受ける為に、入室する。 とはいえ、基本的にドアを閉めていないので誰でも入れる状態だが・・・。 「引き続きジャック・Oの追跡に当たるようにだって。“アビス”への到着予定は?」 「艦橋からの連絡では残り十二時間程度の行程だそうです。 でも部隊長はすごいですよね・・・。軍から小型とはいえ高速輸送艦を借りてくるなんて・・・」 「お父さんの下で働いていたからあまり知られていないけど、本人もすごく有能な人なんだよ」 ティアナは改めてオーリス・ゲイズ一佐の人脈に舌を巻いた。 殆どは父・レジアス・ゲイズから受継いだ物だがそれを維持し利用するのは唯の親の七光の二世では出来ない。 海側が艦船の貸し出しに難色を示し、部隊は機材や兵員を受領し編成ができたが部隊が他世界へ動くための 手段の確保が問題となった。海側の気まぐれで利用できるような艦船を当てにするのは論外であり、 纏まった数で動くためにはそれ相応の輸送手段が必要となる。 オーリス一佐の本領はここからだった。 彼女は海が非協力的であるのを理解すると直ちに父のかつての友人達-内部にも外部にもいた-に掛け合い、 話を持ちかけ取引したのだ。 その結果手に入れたのはミッドチルダ政府軍から高速輸送艦をドック入り前に借用し、さらに装輪装甲車をリースで入手、その他各種物資・ 人員を手に入れてきた。 その手に入れてきた物品が搬入されるのを見たとき誰もが目を疑った。 そして誰もが彼女はやはりレジアス中将の娘なのだと再確認することとなった。 「執務官の受け持つ職務の範囲は広いから各所に人脈がないと厳しい仕事だからね。 一人だと手に負えないよ」 「必要なのは経験と才能ですね・・・」 ティアナの困った顔を見てフェイトは苦笑する。 「みんなは格納庫で訓練?」 「はい、トーレさんとセッテさんが来てから随分訓練も充実して来ました。私の幻術だと限界がありますから・・・」 「ティアナの幻術だと耐久力が無いからね。・・・久しぶりに皆の訓練の相手をしてこようかな」 「たぁぁーー!!」 「遅い、ISを使うまでも無いぞ!!」 自身のアームド・デバイス「ストラーダ」を構えるエリオ・モンディアルの声が響く。 それを正面から迎え撃つのは元ナンバーズ前線リーダーNo3:トーレ。 現在は自身直卒のセッテと共に執務官付“民間協力者”-なお扱い上管理局から給料無し-を勤める。 二人が刃を打ち合っているのは船内格納庫。 本来なら積載されるべき車両は無く、天井の低い狭い空間を訓練用として使用していた。 「これでも・・・?!」 「それではディードにも後れを取る!!」 エリオが一瞬で距離を詰め、ストラーダを振り上げるとトーレの頭上から速度を活かして近接、 ストラーダと重さと自身の魔力を重ねて振り下ろす。 だがエリオ渾身の一撃をトーレは左手二の腕で受け止めるとま だ動きを繋げれないエリオの腹を右拳で打つ。 「・・・ぐっ!!げほ!!げほ!!」 一応手は抜いているが右拳を二発連続で鳩尾に打ち込まれればさしもののエリオも堪らない。 前屈みになり、体内の空気と中身を内臓を出しそうな勢いで吐き出す。 「どうした、終わってはいないぞ!!立て!!」 手だけでなく足を積極的に使うノーヴェと違い、トーレは手を中心に攻撃を組上げる。 前屈み状態のエリオの後頭部に拳を振り下ろす。 「はい、そこまで。・・・トーレ、いつも言ってるけどもうちょっと手加減してあげてくれないかな?」 何時の間にか間に入ったのかフェイトがトーレの右手を押えていた。 トーレもセッテも手加減をしない。相手のエリオとガリューはやればボロボロ、他の小隊員も半死半生になる。 「申し訳ありません、フェイトお嬢様。ですが私やチンクが妹達を少々甘やかしすぎた経験から言えば訓練でも実戦でも手加減は無用です」 「チンクちゃんは甘かったというより優しい子だと思うけど?」 「いいえ、あいつとセインが甘すぎたから妹達があんな育ち方をしたのです」 「そうです、チンク姉様とセイン姉様は少々無駄が多いように感じます」 『またこれだ・・・』 流石のフェイトもこの元戦闘機人二人の頭の固さに頭を抱えるしかない。 「ごほ・・・、すいませんフェイトさん・・・」 「キャロ、ルーテシア、エリオをお願い」 「「は、はい!!」」 いつものことだが、トーレやセッテの相手する模擬戦での雰囲気に萎縮していたのか動けずにいたキャロとルーテシアを呼んでエリオを運ばせる。 「あ、ありがとうございます。・・・って、あの二人とも?」 右をキャロ曳かれて、左をルーテシアに曳かれて行くエリオ。 なお二人は火花が飛ぶぐらい睨み合う。 それをいつも見るであろう他の隊員もはやし立てる。 トーレとセッテはJS事件の時、フェイトに捕獲された。問題はこの後、管理局内で戦闘機人の取り扱いが 議論されていた時、二人は何故かそのまま局の有力者たるハラオウン家の保護下に入っていたのである。 元々二人は-特にトーレ、セッテも若干-フェイトに入れ込んでおり、フェイトが保護扱いにしたことで 二人は再教育プログラムの受講資格の埒外にいた。 無論、管理局内では好ましい状態ではない、という結論になったが相手は何せ元から現役まで執務官を 多数輩出しているハラオウン家と言う事もあり、失脚を狙う一派からあそこに任 せておけばいいだろうという一派等の思惑が重なり合って現在の形に落ち着いた。 「そうだ、トーレ、セッテ、妹さんのノーヴェが怪我したって・・・」 「不出来な妹の事です。大方昔のように見境をなくして挑みかかったのでしょう」 「・・・」 「今回のことでボロボロになって少しは成長するでしょう」 「そ、そうかな?」 思ったとおりの反応にフェイトは苦笑する。 トーレはいつものように妹達に厳しい。セッテは相変わらず冷たくあしらう。 三女はともかく七女はどんな感情を抱いてるのかまったく推し量れない。 だが二人は二人なりに一応は心配しているのだ。それは少しだけ動く顔の表情を見れば分かる。 「あとチンクちゃんからまた連絡があってね、『トーレ姉様と セッテに形だけでもいいから 更生プログラムを受けて欲しい』って」 この時は二人と他の娘達との窓口とも言うべきチンクの名前を 出せば簡単に陥落する。 最近だがフェイトはそれに気が付いた。 「はぁ・・・、またですか。あいつは、何度言えば分かるのか 、まったく・・・」 「連絡だけでもしてあげればいいと思うよ」 「今回の作業が終わったら連絡することにします。セッテ、お 前も手伝え」 トーレがこう言えばほぼ確実に妹達に連絡を取る。フェイトは 心の中でトーレの意外と家族思いの深さに微笑む。 「分かりました」 セッテが喋っているのを聞いてその会話を盗み聞きしていたで あろう隊員たちがどよめく。 よほどセッテが喋ることが珍しいのだろう。 「じゃあ、トーレ、セッテたまには私の相手をしてもらおうか な?勿論手加減無しで」 バルディッシュを起動、バリアジャケットを着用。二人に対し自信に満ちた笑顔を向ける。 「判りました、手加減なしでお相手します」 トーレは少しだけ楽しそうに構えをとり、セッテはトーレを支援するポジションへ移る。 なおエリオはというと・・・。 「私がエリオ君の看病をするの!!」 「・・・ダメ、私がする・・・」 「あの、二人とも、僕は大丈夫だから・・・」 「大丈夫じゃないよ!!あんな深い打撃を受けたんだから!!」 「お母さんが・・・、持たせてくれた薬があるから・・・」 「ルーちゃん・・・」 「なに・・・?」 エリオは睨み合い火花を散らす二人から這い蹲って離れると壁に体を預ける。 「キュク?」 「ありがとう、フリード。心配しなくても大丈夫だよ」 『今度トーレさんとやる時はハンデをつけてもらおう』 そう思いながら今だ安定せぬ頭を働かせてフェイトとトーレ・セッテ組の模擬戦に目を移す。 「やっぱりフェイトさんはすごいな・・・。ストラーダ、記録よろしくね」 <ヤボール> そう呟くと三人の動きを追う。 射撃はは厳禁。これは安全上守らなければならない。 必然、格闘戦になるのだが狭い空間では殆ど速度も出せない。 だが三人はそんなハンデを感じさせないような動きで模擬戦を繰り広げ その場にいる全員に力量と技術の違いを見せ付けていた。 フェイトが正面から間合いに入ればトーレはそれをセッテと協力して受け止めチャンスを探す。 逆にトーレとセッテが同時に攻めればフェイトは攻撃を受け流し、相手を分断できる動きをとる。 それを分かっている二人は一瞬でも分断されないようお互いをカバーする。 『いつかあの中には入れればいいな・・・』 エリオは三人の動きを追いながら漠然と考えていた。 戻る 目次へ 次へ
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サンダー遭難中... そして、バクラの考察 ◆Qz0BXaGMDg 何故だ。 何故こんなことになっている? なんで、なんで…… 「なんで誰にも会えないんだ!!!!!!!!!!!」 『あんまり大声出すなよ宿主サマ。周りに聞こえちまうぜぇ。……まぁ、そう言いたくなる気持ちはわかるけどよ』 万丈目とバクラは、今スーパーの前に居た。 あれから東にある市街地に向かった二人(実際には一人だが)は、近場で尚且つ人が居そうな場所――という訳でスーパーに向かったのだ。 だが、スーパーの中には結局、人は見つからなかった。 いや、それどころか先程居た場所からこのスーパーに行くまでの間に、誰にも会えなかったりする。 いや、本当に…… なんか……こう…… 『同情するぜぇ、宿主サマ』 「うるさい!!! 少し黙ってろバクラ!!!」 ちなみに、市街地の中心付近には結構参加者がいるのだが、万丈目のいる付近には人が居なかったりする。 まったく、不運としか言いようがない。 『いいや、黙んないぜぇ。このまま誰一人として人に会えなかったら、死ぬのは宿主サマなんだぜぇ?』 「くっ……!!わかっているそんなこと……」 そう。 万丈目は今現在、危機的状況にあるのだ。 万丈目の支給品の一つであるカードデッキ。 非常に強力な力を持っているが、この支給品には一つのリスクがある。 「生きた参加者」を契約モンスターに喰わせること。 しかも、喰わせなければ―― 「自分が喰われるか……」 『正確には所有者が喰われる、だけどな』 「貴様に言われんでもわかってる」 万丈目としては生贄を捧げたいわけではない。 だが、自身が喰われたいわけでもないのだ。 出来ればカードデッキの持ち主を探したいが、もしもの時は…… 『いずれにしても、人を見つけなきゃいけないって時に誰にも会えないなんてな』 「唯一会ったのが、あの眼帯の少女だけとは……お前のせいではないよな」 『まっさか!俺にそんな力はねぇよ』 無論それはわかってはいたが、しかし万丈目はここまで人に会えないものなのか、と思っていた。 『確かにな……もう少し会えてもいいんじゃねぇか。なぁ、宿主サマ?』 「だから、心を読むなと何度も……」 そこから先の言葉が続くことはなかった。 なぜなら―― 『さて、皆が待ち望んだ最初の放送の時間が来たわ。』 プレシアの放送が始まったからだ。 ◇ ◇ ◇ 「くそ……もう犠牲が出ているのかっ!!」 『13人か……思ったより盛り上がってるじゃねぇか……』 バクラはともかく、万丈目は放送を聴いた時、ある人物に大変激怒していた。 プレシアはもちろんだったが、今万条目が激怒している人物というのは他でもない、自分自身だった。 もしかしたら、止めることが出来たのかもしれないのに。 幸いにもアカデミア組は全員無事だった。そのことは良しとしよう。 だが…… 高町なのは ティアナ・ランスター エリオ・モンディアル 魔道師6人の内の3人 この3人は無事ではなかった。 ゲームに乗った人間に殺されたのだ。 あるいは、誰かを助けるために犠牲になったのかもしれない。 いずれにしても、この三人は万丈目にとって仲間だった。 だというのに、万丈目準はただ人を捜しているだけで何もできなかった。 もしかしたら、あの眼帯の少女がやったのかもしれない。 だったら、あそこで止めていたら……あるいは…… 『……別に慰めるわけじゃねぇがよ、悔やもうが自己嫌悪しようが死者は基本的に帰ってこねぇよ』 「……貴様はここにいるだろうが」 『まぁ、そりゃそうだけどな』 バクラと会話している間に少しだが、気が楽になった気がする。 初めて、バクラに感謝することになったな、と万丈目は思った。 『別に感謝しても、何も出てこないぜぇ』 「ちっ、だから心を読むな!!!」 バクラは笑い、万丈目が怒る。 なんとなくだったが、調子が戻った気がした。 「……すまんな」 『だから、別に感謝しても何も出ないって言ってるだろう』 「ふん、わかっている」 先程まで言い合っていた二人がそこに居た。 ◇ ◇ ◇ 『とりあえず、現状確認くらいはしたほうがいいんじゃねぇか?』 「ふん、わかっている。何度も言わすな」 調子を取り戻した万丈目は、現在の状況を確認することにした。 今現在わかっていることは、禁止エリア、死者の数、死んだのが誰か、そして―― 「死者蘇生か……デュエルモンスターズじゃあるまいし、そんなことはありえんな」 『俺とかいるのにか?』 「お前のは違うだろうが」 『まぁ、わかっているがよ』 はっきり言って二人は、死者蘇生についてまったく信じていなかった。 何かのトリックか、それとも…… 「まぁ、考えてもしょうがない。その件は置いておこう。それよりもやることがある」 と万丈目は現状確認に戻ることにしていた。 なので、気づかなかった。 『……まさかなぁ……』 そうバクラが呟いていることに。 ◇ ◇ ◇ 「まぁ、こんなものか」 『いいんじゃねぇの?』 と、今現在の状態をノートに書いたものを見て二人は言った。 万丈目としては別にノートに書く必要はなかったのだが、バクラにしては珍しく書けと言ってきたので、書くことにしたのだ。 「しかし、何故こんなものを書けなどと言ったんだ?」 『まぁ、後で説明してやるよ。まだ書いてもらうことがあるしな』 こんな会話をしながら、二人はノートを見た ノートにはこんなことが書かれていた。 ------ 自分の知り合い:遊城十代、天上院明日香、早乙女レイ、高町なのは、フェイト・T・ハラオウン スバル・ナカジマ、ティアナ・ランスター、エリオ・モンディアル、キャロ・ル・ルシエ バクラの知り合い:キャロ・ル・ルシエ、ユーノ・スクライア、フェイト・T・ハラオウン 危険人物:眼帯をした少女→名前を聞いておけば… →仲間がいる可能性あり 禁止エリア:B-1 D-3 H-4→何か基準でもあるのか? アグモン、ギルモン→どうでもいいが兄弟かなんか? フェイト・T・ハラオウン、クロノ・ハラオウン→おそらく兄妹かなんかだと思われる。 スバル・ナカジマ、ギンガ・ナカジマ→兄妹、または姉妹だと思われる。この人とも合流したほうが良いかも。 柊かがみ、柊つかさ→おそらく兄妹、あるいは姉妹であろう。 武蔵坊弁慶→昔の人間?あるいは同名異人の可能性あり。 C.C.、L→コードネームかなんか? キング→王? なのは、フェイト、八神はやての名前が二つある→誤植? 死者蘇生→ありえない。何かトリックがあるのでは? ------ まさかフェイトとも知り合いだったとは、と思いながら万丈目は鉛筆を動かそうとした。 「で、次は何を書けば……」 『ちょっと待て宿主サマ。その前に少し俺の話を聞け』 一瞬むっとしたが、万丈目はなんだ、と聞き返した。 『宿主サマの知っている相棒……キャロ、フェイトについて話してくれねぇか』 「ん?なんでまた……」 『いいから、話しな。ひょっとすると、とんでもなく重要なことかもしれねぇからな』 重要、と聞いて万丈目は何かわかったことがあるのでは、と思った。 なので、 「あぁ、わかった。話そう。」 そう言って、万丈目は自身が知っているキャロ、フェイトについて話した。 ◇ ◇ ◇ 『なるほどねぇ……それが宿主サマの知っている相棒とあの女ってわけか……』 「あぁ。おいバクラ、説明してくれ。なんでこんなことが重要なことなのかをな」 万丈目はバクラに話しながら、人を捜すために歩いていた。 自身の居るエリアの隣にある禁止エリアになりかけているD-3のエリアに注意しつつ、彼らは商店街に向かっていた。 先程スーパーに行った時もそうだったが、彼らは近く、そして人が集まりそうな場所に向かえば誰かは居るだろうと考えたのだ。 ほっとけば、後数時間でモンスターに喰われてしまう。 それだけは何としても避けなければならない。 なので、(出来れば殺し合いに乗っている人がいいが)生きた参加者を生贄にして、自身の安全を確保したいと考え、このように移動しているのである。 『あぁ、いいぜぇ。話してやるよ』 万丈目は歩きながら、バクラの話しを聞いた。 『結論から言わしてもらえば、どうやら俺の知っている相棒、フェイトとは少し違ってるってことがわかったよ』 「何?どうゆう意味だ」 『じゃあ、宿主サマにもわかるように説明してやるよ』 「なんか癇に障るが……まぁいい、話せ」 そう言ってバクラは万丈目に説明をし始めた。 まず容姿についてだが、これは双方の言っていることに何ら違いはなかった。フェイトに関しては、ほぼ100%で少しも違う部分はなかった。 だが、キャロについては少し違っていた。 容姿に違いはなかったが、着ている服が違っていたのだ。 たかが服と万丈目は思ったが、着ている服の内容を聞いた時、万条目は顔を赤くしながら怒鳴った。 「バ、バクラ!!子供に何を着せているんだ貴様!!!」 『なんだよ、別にいいじゃねぇか。相棒……キャロは色気が足りなかったんだからな』 「そ、そうゆう問題ではない!!」 少なくとも万丈目の知っているキャロは、そんな服は着ないだろうとは思った。 バクラは万丈目を無視して、そのまま話しを続けた。 違いが顕著に現れていたのはその後の立ち位置についての話しの時だった。 「な、何っ!?キャロがマフィア!!?それにエリオ達のことも知らないだと!!?」 『あぁ、そうだ。時空管理局ってのには入っていないな。それにエリオとかスバルとかも知らねぇな』 ありえない、と思った。 だが、嘘を言っているようにも見えなかった。 見えないだけで嘘をついている可能性もあったが、すぐにその考えを消した。 バクラは確かに悪人の位置にいる。 だが、今現在自分をサポートをしてくれている奴がそんな嘘をつくだろうか? 少なくとも、今は自身の味方である人物が、そんな嘘をつくとは思えない。 なので、万丈目はバクラを信じることにした。 「となると……つまりどうゆうことなんだ?」 『鈍いなぁ宿主サマ。じゃあ、さっきの死者蘇生のショーを思い出してみろよぉ』 そう言われて思い出してみた。あの、アリサという少女が再度殺された時のことを。 「うーん……一体どうゆうことなんだ……?」 『ったく、本当に鈍いなぁ。つまりよぉ、俺達は違う世界から来たんじゃねぇかってことだよ』 「なんだと!?まさか……」 『すごく突拍子もない言っているのは自分でも分かってるんだがなぁ、そうゆうことなると全て説明がつくんだよ』 バクラも気づいたきっかけは些細なものだった。 少し前から疑問は感じていたバクラだが、アリサの死者蘇生ショーを見た時に疑問に答えを出すことが出来たのだ。 それが、並行世界、パラレルワールド説だ。 それならば、全てに説明がつく。 何故、キャロが万丈目の記憶で千年リングを持っていない?当たり前だ。万条目の世界のキャロには会っていないから持っているはずがない。 何故、双方の記憶に誤差がある?当たり前だ。世界が違えば、やることや起きることも違ってくるだろう。なら、そのときに色々と違う出来事が起きて未来が変わることだってあるかもしれない。 「た、確かに……それならば説明もつくな……」 『だろ?そう考えると説明がつくんだよぉ。他にもまだあるんだぜぇ。』 「まだ、あるのか……」 『ったく、だらしねぇなー宿主サマよぉ。今のことをノートに書こうとか思わないのか?』 「う、うるさい!!言われんでも分かっている」 万丈目が鉛筆を動かす中、バクラは話を続けた。 アリサの死者蘇生やなのは、フェイト、そして八神はやてという人物の名前が何故二つあるのかまでをずっと喋っていた。 ◇ ◇ ◇ 「こんなものでいいか?」 『あぁ、いいぜぇ。上出来だよ宿主サマ』 そう言って、バクラはノートを眺めた。 ノートにはこう付け加えられていた。 ------ なのは、フェイト、八神はやての名前が二つある→誤植? →違う世界のなのは、フェイト、八神はやての可能性あり 死者蘇生→ありえない。何かトリックがあるのでは? →違う世界の同じ人物を連れてくれば実行可能 並行世界、パラレルワールド →断言できないが可能性あり ------ 別にバクラ自身はこのような考察はどうでもいいと考えている。 だが、万丈目は――ひょっとしたら相棒もかも知れないが――仲間と合流して、プレシアに反逆しようとしている。 もしそういう状況になれば、少なからずこういった考察は必要になるだろうと考え、万丈目にノートを書けと言ったのだ。 (まぁ、俺はデスゲームを楽しみたいだけなんだから別にいいんだけどよぉ……) と、やれと言った本人はどうでもいいといった表情をしていた。 「……サンダーっと。よし。名前はこれでいいだろう」 『……センス疑いたくなるなぁ、おい』 確かに……ノートに鉛筆で『万丈目サンダー』と書かれれば誰でも(バクラでも)美的センスを疑いたくなるものだ。 「ふん。貴様には言われたくないな」 『おいおい、まるで俺がセンスがねぇとでも言いたげだなぁ……』 「違うのか?」 こんな会話を続けながらも、万丈目は行く準備を済ませていた。 よく考えたら、考察しても喰われてしまえば元もこうもない。 『さてと、少し時間をかけ過ぎた……。急いで商店街に行かねぇとなぁ宿主サマ』 「お前が止めたんだろうが!!まぁいい。急ぐぞ」 そう言い、万丈目は再び歩き出した。 仲間のために、自分のために。 万丈目サンダーの戦いは再開したのだった。 『たく……いつになったらデスゲームを楽しめるのやら……』 そのバクラの言葉は、しかし万丈目には聞こえなかった。 【1日目 朝】 【現在地 D-2北部 市街地】 【万丈目準@リリカル遊戯王GX】 【状態】健康、三時間バクラ憑依不可 【装備】千年リング@キャロが千年リングを見つけたそうです 【道具】支給品一式、カードデッキ(ベルデ)@仮面ライダーリリカル龍騎、ルーテシアのカレー@闇の王女、考察を書いたノート 【思考】 基本 殺し合いには乗りたくない。仲間達と合流し、プレシアに報復する 1.D-3に注意しながら商店街に向かい、キャロやカードデッキの持ち主を捜し、千年リングとカードデッキをどうにかする 2.仲間(理想は明日香)達との合流 3.できればカードデッキに生贄を捧げたくない 4.余裕があればおじゃま達を探したい 5.なんで誰にも会えないんだ…… 【備考】 ※チンク(名前は知らない)を警戒しており、彼女には仲間がいると思っています ※エリアの端と端が繋がっている事に気が付きました ※デスベルトが無い事に疑問を感じています ※パラレルワールドの可能性に気づきました ※千年リングを装備したことにより、バクラの人格が目覚めました 基本 このデスゲームを思いっきり楽しむ 1.万丈目をサポート及び誘導する。 2.いざというときは万丈目に憑依し、確実に参加者の誰かをバイオグリーザの餌にする 3.可能ならばキャロを探したいが、自分の知るキャロと同一人物かどうかは若干の疑問 備考:※千年リングの制限について大まかに気が付きましたが、再憑依に必要な正確な時間はわかっていません。最低でも放送前後までは無理だと思っています ※キャロが自分の知るキャロと別人である可能性に気が付きました ※千年リングは『キャロとバクラが勝ち逃げを考えているようです』以降からの参戦です 【デスベルトについて】 十代達デュエルアカデミアの生徒(このロワでは十代、万丈目、明日香、レイが該当)が異世界に飛ばされる前にプロフェッサーコブラによって右腕に付けさせられた腕輪 デュエルを行ったり、モンスターを召喚するとデスベルトが作動し闘気や体力が吸い取られてしまう これまで外す事は出来なかったが、このロワでは他の装備品同様外され没収された模様 【考察のノートについて】 ノートには文中で書かれていることが書かれています 表紙に『万丈目サンダー』と書かれています Back そんな運命 時系列順で読む Next ボクらが叶える未来 仲間を信じていたい Back そんな運命 投下順で読む Next XANADO Back 闇とリングとデッキの決闘者 万丈目準 Next 変わる運命(前編)
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NA/W12-007 カード名:フェイト with バルディッシュ・アサルト カテゴリ:キャラクター 色:黄 レベル:2 コスト:1 トリガー:1 パワー:7500 ソウル:1 特徴:《魔法》・《クローン》 【自】[あなたの山札の上から1枚をクロック置場に置く]このカードが手札から舞台に置かれた時、あなたはコストを払ってよい。 そうしたら、そのターン中、このカードのパワーを+4500。 【自】このカードがアタックした時、クライマックス置場に「雷光一閃」があるなら、あなたは相手のキャラを1枚選び、手札に戻してよい。 BD「Assault form cartridge set」 レアリティ:R illust.笹井さじ ・対応クライマックス カード名 トリガー 雷光一閃 1・炎